障害者雇用の拡大を目指して
         
  前田社長と村上さん  

「障害者の雇用の促進に関する法律」で定められた障
害者雇用率(1.8%)は、現在も達成されないままであり、
諸外国と比較しても日本の障害者雇用率低い。障害が
あるという事で、仕事をするということ自体が困難だとい
う認識が根強いようだ。
しかし一方で、就職を希望する障害者の人たちは、「人
の役に立ちたい」「自分のできることを見つけたい」という強い気持ちを持っている。

法定雇用率等によって、障害者雇用に対する世間の認識が徐々に高まり、地域の中小企業の受け入れが増加傾向にあるが、現状就労できる機会や仕事内容はまだまだ少ないようだ。

そこで今回は、障害者就労支援を行う授産施設「ポンチセぴりか」さんと障害者雇用を推進している企業「有限会社 大生美錠工業所」さんにご協力頂き、障害者雇用の可能性・将来展望を語って頂いた。

 
         
  相互理解で両者がハッピーになる方法は絶対にある!  
         
 

障害者雇用に対する理解を企業に求めているだけ
では、状況は何も変わらない。一方通行のままでは
解決策は生まれないのだ。

就労支援を推進する我々施設側は、ご利用者の持
っている力・可能性を最大限に引き出す努力をする
ことが大切。同時に受け入れ企業の職場環境や仕
事内容を把握し、障害者にもできる仕事の発掘・提
案を積極的にしていかなくてはならない。
それが相互理解に繋がり、ご利用者のためでもある
と力強く語るのは、「ポンチセぴりか」の中谷施設長。

  パン販売準備  
         
  パン作り  

現在、障害者雇用を実践している企業が成功事例を紹
介することで、世間の認識も徐々に広がりを見せつつ
あるが、まだまだ成功事例も少なく、障害者が仕事をす
る(できる)という認識は広まっていない。

今後、少しずつでも雇用成功事例が社会に紹介されて
いくことで、雇用に対する知識も広がり、障害者にもで
きる仕事がたくさん生まれることを切実に願っている。

 
         
  可能性溢れる障害者に更なる活躍の場を・・・  
           
  生活支援員 村上恵理  

私も障害者就労を支援する立場ではありますが、ご利
用者1人ひとりのニーズをすべて汲み取れているわけ
ではありません。変化する日々に勉強の繰り返しです。
その中で私が学んだことは、ご利用者の1番の理解者
になること。そして、信用することの大切さでした。

過度の支援は、スキル向上の妨げや成長の機会を奪
ってしまうことがありますから、それらを十分に踏まえた
上で、彼らと真正面から向き合うようにしています。

 
     ポンチセぴりか 生活支援員 村上 恵理      
  支援員としての業務内容は、ご利用者の就職への第一歩とし
て実習を受け入れて下さっている企業に伺い、ご利用者と共に
同じ仕事をする中で指導をしている。また、受け入れ先の社員
さんとの仲介や理解を促進する働きかけも積極的に行ってい
る。
  パン販売  
         
 

私たち支援員の最終目的はご利用者が就職し、自
立できるようになること。その目標を成し遂げていくた
めにも、まずご利用者が社会でのルール・マナーを
守れるよう、根気よく指導するよう心掛けています。
そして就職への入口である実習を通じて、「人の役に
立つ喜び」「自分の力でお金を稼ぐ喜び」を分かち合
い、自分で考え行動する意識を高められるよう支援
しています。

   
         
 

そういった積み重ねが、障
害者雇用の門戸を開くきっ
かけになっていけばと思い
ます。

換気扇作業    
           
  まっすぐに生きる彼らだからこそ、力になりたい!  
           
  クリスマス商品  

数年前、ある企業より「何人かの障害者を雇ってみない
か」と依頼がありました。得意先や仕入先に不安を与え
ることにならないか、実際自分もどのように接したら良
いのか全く分からない。何よりも障害者の方たちが、仕
事をできるとは正直思っていなかったので、断っていま
した。

 
    代表取締役 前田浩二  
 

ある日、近隣にある作業所の近くを通った時に、1人
の青年が私に近づき、「おはよう!」と手を振ってくれ
ました。私は驚き、声も出ず、手も振れませんでした
。彼は当たり前のことを自然にしているのに、なぜ自
分はできなかったんだろうと反省し、再度会った時に
は自分から声をかけ、手を振ろうと思いました。
あくる日彼に会い、私から手を振りました。妻も一緒
に歩いていましたが、彼は私にだけ挨拶し、手を振っ
てくれたのでした。

   
    有限会社 大生美錠工業所 代表取締役 前田 浩二  
    半信半疑で開始した障害者雇用・・・。今では3年の月日が流れ、
計10名(近日雇用予定4名)の障害者の方が勤務している。
当初は失敗の繰り返しでしたが、今では彼らに秘められた無限の
可能性を日々実感している。
 
           
  パン屋  

そんな事があり、私は彼らのことを誤解し間違った思い
込みがあることに気付きました。

 
         
    パン販売車

 受け入れもせずに、初めか
ら無理だと決め付けること
は良くないと考えを改め、障
害者雇用の開始を決意しま
した。

 
           
 

受け入れを開始した当初は、何もかもが手探りの状
態で、仕事を共にする社員も不安を隠しきれず、戸
惑いや失敗の繰り返しでした。
しかし、支援員協力の下、症状が出た時の対応や作
業の教え方などを学び、試行錯誤しながら実践して
いく過程において、彼らの意識の高さ・まじめさ、そし
て素直さを肌で感じたことで、社員の理解も徐々に
深まり、1人の仲間として捉えるようになりました。

  作業現場  
           
  パン制作現場  

また、障害者雇用を開始してから組織として誰でも簡単
にできる仕組み作りさえすれば、彼らの働く場所はいく
らでもあると考えるようになり、作業工程を分かりやすく
するなど、たくさんの工夫を凝らしました。その結果、作
業効率が上がり、生産性も高くなるなど、様々な分野で
相乗効果が生まれています。

 
    部品制作  
 

私個人としても、愚直に生きる彼らの姿勢に心を打
たれ、多くを学べることに感謝しております。

   
     
     有限会社 大生美錠工業所
代表取締役 前田浩二
〒591-8011
大阪府堺市北区南花田町427-1
TEL:072(251)2729
     
     
       
             
  はじめてのお給料 村田知子(元第二ぴりか作業所)  
         
  第二ぴりか作業所  

私は東邦焼鈍(株)に来てから1年、今回就職しました。
初給料を貰ったときはとてもびっくりしました。
「本当に貰っていいのかな?」という感じで。
半分は貯金しました。

お母さんに、就職できたことと初給料の話をした時、「す
ごいなー!」ってとても喜んでくれました。
初給料で、お母さんと一緒に靴下を買いました。
就職できてとても嬉しかったです。

自分のもう一個の夢は、自分で稼いだお金で家族旅行
がしたいのと、パソコンが欲しいです。

職場の人たちはとても優しい人たちで、良い環境です。
ずっとこのままの調子で頑張りたいです。

 
         
   
   

 社会福祉法人 つむぎ福祉会
知的障害者通所授産施設 ポンチセぴりか
〒546-0003
大阪府大阪市東住吉区今川4-10-3
TEL:06(6708)8341
お問合わせ:平日9:00~17:00(施設長 中谷)

ポンチセぴりか      
   
             

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