認知症ケアを中心に、介護者(ご家族)の
  負担軽減に大きく貢献するなど、レスパイト
  ケアを考慮する上で、現在業界の注目を浴
  びているイブニングサービス。
  全国をみても本格的に取り入れている施設
  はまだ少ないが、イチ早く実践している大阪
  府八尾市にあるホーム太子堂。
  今回は、そのイブニングサービスに秘めら
  れた可能性をご紹介しよう。

「イブニングサービス」を先駆けに、福祉サービスへの果敢なる挑戦!
10年、20年後の福祉サービスを創るのは私たちだ!(前編)
   
イブニングサービス誕生秘話
         
 

「介護に休みなし」をスローガンに、365日営業とロング
デイサービス(12時間)を実施してきたホーム太子堂
だが、介護保険制度改定に伴い8時間を越えるサービ
スが自費扱いとなり、やむを得ず9:00~17:00での
営業となった。
しかし夕方は、家事や育児に追われる最も忙しい時間
帯でもあり、「もう少し遅くまで利用したい」というご家族
の声や、認知症の方の周辺症状として、夕方になると
落ち着きをなくし徘徊や暴力行為等が多く見受けられ
る。俗に言う“夕暮れ症候群”だ。

  スタッフパネル  
         
  イブニングサービス送迎車  

そのため、夕方に自宅にお送りすることはご家族にと
って負担が大きく、サービスを利用する有効性が低い
のではないのかという観点から、デイサービスの機能
としての不十分さを感じる。
そこで、ホーム太子堂はデイサービスの利用時間を
12:00~20:00へとスライドさせることで、ご家族も
より温かく迎えることができるのではないのかと考え、
実施したサービスが『イブニングサービス』(認知症
対応型通所介護)なのだ。

 
         
トレンドを省きニーズの本質だけを追求した福祉サービス
         
 

イブニングサービスは、ご家族のニーズをただ単純に
時間帯だけをスライドするのではなく、ご利用者自身
に重きを置き、認知症ケアを中心にグループケアを
導入し、夜間入浴の実施や食事・入浴時間の選択を
可能にするなど、ご利用者にとって生活の延長線上
にサービスが存在することを位置づけとしている。

  ご利用者との団欒風景  
 

 

 
  ご利用者との楽しいティータイム  
   

 

 
   

特徴としては、生活リズムを整える上で実施している夜
間入浴。これは睡眠を促すことで、昼夜逆転を防ぎ、
気分を落ち着かせる効果があると言われています。
また、食事面においてもご利用者自身が準備や片付け
も行えるようテーブルバイキング方式を取り入れ、より
家庭的な雰囲気に近づけるよう心掛けている。
その他、レスパイトケアにおいては、デイサービスの
目的の1つでもありながら、現状では不十分となって
おり、介護者(ご家族)の介護負担軽減を考慮している
観点からもイブニングサービスの必要性を感じる。

 
  ※レスパイトケア・・・障害を持つ方の日常的なケアから一時的
解放」と定義され、北米で発達し欧米で広く行われている地域
支援サービスのひとつ。
第一の目的は、日常的にケアしている家族などの介助者が、
心身の充電をし、リフレッシュするために利用するもの。
   
         
イブニングサービス5つのポイント
     
  1.生活リズムを整える 2.五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を刺激するサービス提供 3.レスパイトケアの重視(介護者「ご家族」の介護負担軽減) 4.デイサービスでのユニット化 5.スタッフの意識改革とスキルアップ  
     
  奥田 勝之   スタッフの大きな変化が顕著に現れる  
   

サービス開始(2004年~)当初は、何もかもが手探りの
状態で試行錯誤を繰り返していました。スタッフ内で意見
交流を交わし、多くの時間を共有してきました。
そんな中、最も重要で難しい部分でもあったのが、「スタ
ッフの意識改革とスキルアップでした」と振り返るのは、
統括チーフを務める奥田さん。

当時、“顧客満足”という言葉が福祉サービスにおいても
騒がれるようになり、特にデイサービスにおいては、過剰
介護と見受けられるケースが増加しました。サービスの
本質を勘違いしてはならない、あくまでも福祉サービスは
『Give&Take』のもとにあると考えていたので、イブニング
サービスでは、業務というよりご利用者1人ひとりに合わ
せたサービス(個別サービス)体制へと転換しました。

 
        氏名:奥田 勝之  役職:在宅統括チーフ 
      資格:介護福祉士/介護支援専門員
   
         
 

業務を見ずご利用者を見るように、あえて細かな業務
は決めずに、ご利用者が決定したプログラムにスタッ
フが合わせるようにする。以前のようなスタッフ中心
提供型のサービスを改め、スタッフがご利用者をサ
ポートする、ご利用者の役割を奪わないという考えを
持つよう心掛けました。
すると、スタッフのご利用者を見る視点や介護に対す
る意識に変化が芽生えました。ご利用者には「できな
い」という諦めの介護から、重度のご利用者に対して
も、何かできることやその人の役割を模索し、ご利用
者の残存能力を最大限に引き出そうとする力が出て
きました。

  ご利用者との談笑  
         
   
    ホーム太子堂外観  


社会福祉法人 竜華福祉会
特別養護老人ホーム ホーム太子堂
〒581-0063
大阪府八尾市太子堂4丁目1番32号
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