ハミングベル中道/音楽療法術
                       
  デイサービススタッフ   “音楽”と“地域”を施設運営の2本柱として確立
させ、地域と共に歩む施設創りを進める施設、そ
れが特別養護老人ホーム ハミングベル中道。
常に歌声が響く施設として地域に愛され、施設内
には専任の音楽療法士を配置し、ご利用者1人
ひとりに合ったケアプランを実践している。
そこで今回は、ハミングベル中道が独自の価値
観で取り組む『音楽療法』についてご紹介します
   
                       
  選ばれる施設へのストーリー    
                       
  ハミングベル中道「誕生秘話」                  
                       
  ハミングベル中道の拠点となる大阪市東成区は、大戦時に戦火に遭っていない事もあり、道は狭く木造家屋が密集している。その為、建替えが進みにくく、若年層の定住率も大変低い。他の地域と比べ、高齢者の人口密度が高いと区域でもある。   石塚施設長    
ミーティング風景

そこで私達は、様々な地域活動に携わり、福祉
活動に力を注いで参りましたが、福祉の立ち遅
れを痛感し、ボランティアとしての限界を肌で感じ
るようになりました。その貴重な経験と多くの知
恵を活かし、地域ネットワークの発展や要介護者
とその家族を総合的に支援する為に誕生したの
が、ハミングベル中道です。と、昔を振り返りなが
ら、施設への想いを熱く語っていただいたのは、
施設長の石塚さん。

   
人生と共に歩んできた「音楽の可能性」    
   
施設オープンから今年で5年の月日が流れ、今も尚、地域福祉の増進にこだわりを持ち続ける石塚施設長。地域住民の「誰もが」「いつでも」享受できる“福祉の一般化”“福祉の普遍化”という考えの基、ボランティアの登録数は200名を越え、年間1,000名以上の方が施設を訪れ交流を図るなど、地域に開かれ愛される施設運営を行っている。 鈴木さんとご利用者
   
女性スタッフ

その様のオリジナル風土を形成するハミングベ
ル中道を象徴する取組みが『音楽療法』なので
す。ご利用者の生活の場となる施設で、介護を
するのは当たり前。我々の使命は、この施設を選
んで下さったご利用者の生活に、楽しさとその人
らしさを提供し、生活の質を上げることだと考え
ている。そこで辿り着いたのが、誰しもの人生の
身近にある“音楽”でした。
音楽の力を借りて、「ひとつひとつの音色を大切
にします。自分らしさを奏でて下さい。」をコンセプ
トに、常に歌声が響き渡る施設として支持を高め
ている。

   
私たちが考える“音楽”の原点  
   
鈴木 雅子

4年制大学を卒業後、器楽(ピアノ)の専攻科を
経て、ハミングベル中道が推進する音楽療法の
可能性に共感し入社を決意。入社当時は、自ら
率先して現場にも入り、介護経験を積む。その直
向な姿勢に、ご利用者や同僚からの信頼を得て
、専任の音楽療法士としてスタートを切る。
鈴木さんが手掛ける音楽療法は、ご利用者から
絶大なる人気を誇り、施設を代表する取り組みの
1つになった。現在ではボランティアコーディネー
ターを務めるなど、幅広い分野で活躍している。

 
鈴木 雅子(26歳/入社4年目)
資格・役職/音楽療法士、ホームヘルパー2級
         ボランティアコーディネーター
       
音楽療法術~いい音楽は「耳薬」~      
       

人の心と身体に影響を与える『音楽療法』。最近では、病院等の医療機関でもその効果が立証され、治療法としての幅が広がっている。
しかし、私達が推進する音楽療法は、医療機関のような治療に大きな比重をかけるものではなく、ご利用者の娯楽や普段の生活に刺激を与え、楽しさ=QOLの向上を提供するものだと考えている。特別養護老人ホームでは、ご利用者のADLを向上、または維持させることは難しいとされているが、音楽を通じてご利用者により良い変化を与え、楽しさや自分らしい生活を持ち続けてもらえるよう努めている。

鈴木さんピアノ演奏
 
音楽が生活の“架け橋”となる  
 
鈴木さん手拍子

音楽は、「人と人」「昔の思い出と現在」「残存機
能と新たな機能」などの架け橋となり、その人の
生活の質を高める力を持っていると語るのは音
楽療法士の鈴木さん。
鈴木さんは音楽療法として、ご利用者1人ひとり
に合わせた個人セッションやグループでのレクリ
エーションを取り入れている。

鈴木さんと高岸さん
“個人セッション”では、その方の症状や状態に合わせて音楽療法ケアプランを作成し、生活に変化や刺激を与えられる事を目指している。簡単に症状が回復することはありませんが、セッション中の一瞬一瞬に変化の兆しが見え隠れし、その瞬間が点と点になり、やがて線で結ばれる。このような感情の変化に連動性を導き出せるよう、その瞬間を大切にしていきたいと考えている。
 
               
鈴木さん楽譜 また、レクリエーションの一環として行われている
ハンドベルサークルでは、施設生活という環境の
中で、お世話されている感覚だけを持ってもらう
のではなく、自らが何かをできる空間を提供でき
るよう働きかけている。好きな音楽を聴いて、歌
を唄い、手拍子でリズムを合わせる人もいる。そ
して、ハンドベル等を使用し、1人ひとりの役割分
担を決め、皆で協力し合い1曲を奏でる。
その達成感や満足感に喜びを感じ、日々の生活
に繋げてほしいと考えている。
     
音楽に秘められた力を実感する日々
     

音楽療法を実践する目的や手段をご紹介してきましたが、実際、音楽療法を通してご利用者にどのような変化が表れているのでしょうか。
まず、ご利用者の日々の生活へと繋がる変化では、「歌は次いつするの?」と音楽療法の時間を楽しみに待っている声が増え、その方の生活に期待や希望を持ってもらえていることが1つ挙げられる。
また、失語症でうまくお話ができないご利用者がいました。

鈴木さんピアノ
     
ハミングベル中道 外観

失語症の中には、言葉をうまく話すことができなく
ても、歌はうたえる場合が多くあります。そこで、
メロディとリズムを用いて簡単に単語を歌う練習
をすると、徐々に変化の兆しが見え、歌を通じて
「こんにちは」がはっきり言えるようになった事例
がある。鈴木さんは、このような事例を通して、「
ご利用者と一緒になって喜びを共有できることが
何よりも嬉しい」と話されている。
その他にも、アルツハイマーの方で、なかなか感
情を表に出さない方が、歌を通じて笑みをこぼし
喜びを表現してくれたり、普段、情緒不安定の方
が落ち着きを取り戻してくれたりと、その瞬間に
抱いた感情が日々の生活にも繋がっていること
を実感している。
今後も、音楽療法を通してご利用者が抱く感情を
大切にし、その方らしく楽しい人生を送ってもらえ
るよう、生活に希望を与えていきたい。

 

社会福祉法人 森の宮福祉会
特別養護老人ホーム ハミングベル中道
〒537-0025 大阪市東成区中道2-7-1

 
             
   
みどりの里/成果給制度のススメ
         
みどりの里外観 大阪のまちを一望し、最高のロケーションを堪能できる施設。それが、みどりの里が運営する特別養護老人ホーム「さくら園」。
みどりの里では、職員に愛される職場を目指して職場環境や待遇面の改善において、多くの取り組みを実践している。
その中でも、業界内ではあまり聞き慣れない「成果給制度」を導入し、大きな変化をもたらせている。
 

社会福祉法人 みどりの里
特別養護老人ホーム さくら園
〒574-0011 大阪府大東市北条6丁目2230番地の2

     
         
問題=“チャンス”そして、変化=“成長”
         
  サービス業界全体を悩ませる問題。それが人材不足だ。福祉業界も例外なく大きな影響を受けている。「サービス=人」という考え方を重んじる業界だけに、この問題はあらゆる分野に支障をきたす結果となり、予想を遥かに超えた現実と今向き合っている。
しかしこの問題を違う角度から捉えると、業界全体に成長を促す大きなチャンスだと考えられる。
  花見  
         
  デイサービス スタッフ   これまで介護職の待遇が良くないと言われ続けてきた。法人単独ではどうすることもできなかった事が、多くの人の声によって、これまで手を差し伸べることのなかった政府が、ようやく重い腰を上げ、待遇改善に動き出そうとしている。
また施設内部を見ても、今いる職員を大切にしようとする取り組みが増え、職場環境や待遇面の改善に注目し、従業員満足へと繋がる組織改革が着々と進められている。
 
         
つまり、措置時代から続いていた考え方を一新し変化を与えることで、、大きな成長を掴もうとする組織が増えてきたのだ。
その中でも「サービス=人」という考え方の軸を崩さず、カタチある取り組みを実践しているのが『みどりの里』だ。職員の待遇改善に向けて、業界の前例になかった“成果給制度”を導入し、頑張っている職員を平等に評価してあげられる環境を創ることで、職場としての価値を高めている。
花見風景
         
業界を吹き抜ける新たな風
         
1.成果給制度とは?
         
  スタッフ声かけ   人事考課制度を活用し、3ヶ月に1度、職員1人ひとりが決められた項目に5段階の点数制で自己評価を行う。その後、現場責任者を交え施設の代表者が会議を重ね、前回の自己評価表と照らし合わせながら、平等な評価を行う。1項目ごとに一律の成果給が加算され、評価された項目数に比例する形で、成果給としての支給額が決められる。
そして成果給制度月には、法人で決められた基準額に成果給が加算されるシステムである。
よって職員の頑張り次第では年4回、給与を上げることが可能になる。また、この成果給は賞与にも反映している。
 
       
         
2.成果給制度がもたらした職場の活性化
         
  数あるサービス業の中でも、介護の仕事は結果が数字に表れにくい特徴を持っている。その為、職員個々における日々の業務で評価を行うことは、難しい部分でもあり、専門職としての資格の有無によって判断されるケースが多い。
それにより、介護福祉士やケアマネージャー等の資格取得に向けた長期的な目標を持つ事はできるが、短期的な目標を持って自身の能力と向き合うことが難しい環境でもあった。
この状況を打破すべく、みどりの里では成果給制
  度を導入し、職員は日々の業務において具体的な目標(テーマ)を持って、仕事に取り組める環境が用意されている。頑張れば正当に評価されるという意識を持つことで、職員に少しずつの変化が芽生え、職場の活性化へと繋がっている。
このように、職員1人ひとりが自分自身と向き合い、明確な目標を持って仕事に取り組む姿勢やその1つ1つの努力が連動性を生み、最終的にはご利用者への安心や満足に結びついていくのでしょう。
 
         
  レクリエーション   ハニーカフェ  
         
大切なのは、法人と職員の信頼関係
 
成果給制度を受ける当事者である現場職員の見解において、この制度を導入したメリットは、平等な評価をもとに自分が成長できたという達成感を味わうことができ、更なるステップアップへと繋げられることだそうだ。また同時に、現状の自分と向き合うことで、自身の未熟な分野を再認識することができる点だと言う。 ケアマネージャー
 
さくら園から見える景色 そして成果給制度を導入する前とは、仕事に対する意識の持ち方に大きな変化が表れ、ご利用者とも深く向き合えるようになったという声も上がっている。
このように法人と職員の信頼関係のもと、全職員が制度の存在価値を理解することで、個々の成長へと繋がり、強い組織が創られるのだろう。
 
ご利用者の“心に残る”お付き合い
       

前編では、サール・ナートの介護(ケア)に対する考え方を通して、施設としての目指すべき方向性をご紹介しました。続く後編では、施設の考えや理念に共感し入社した、現場スタッフ3名にスポットをあて、サール・ナートの職場環境の実態を大解剖していきます。

サールの魅力に引き寄せられた想いや、今も尚持ち続けているその変わらぬ想いに、職場への愛情が生まれサール独自の文化・風土が形成されている秘訣を存分に語っていただいた。

  サール・ナート介護職員  
 
サールで笑顔咲く~キーワードは“協力”しあえる“仲間”~
         
  仕事の楽しさを共有できる仲間  
         
  ご利用者と折り紙     幼い頃から祖母と同居し、教育を受けていた影響もあり、いつしか人と関わりがありお手伝いができる仕事に興味を持つようになっていた。そして、私が辿り着いた先は介護職という道だった。
サール・ナートが新規オープンを迎える際に、立ち上げメンバーの一員として入社。当時は、私と同じ新卒の仲間が多く、期待と不安を抱きながらお互いに切磋琢磨し、人間関係が構築された。同じ想いを共有できる仲間にも恵まれ、この仕事の楽しさ・大切さを体感している。
    氏名:久城 千明       出身:島根県
    役職:ユニットリーダー    経験:4年目
    資格:介護福祉士、社会福祉主事任用
 
現在は、リーダーとして職員の意見に耳を傾けると同時に、自身の考えも伝えるようにしている。互いの想いを伝え合うことで、時には意見が衝突することもありますが、ご利用者視点という軸を崩さないようニーズを汲み取り、協力し合うことで現実と理想のギャップを埋めていけるよう努めている。だからこそ、職員のやりがい・意欲は絶対に軽視できない部分でもある。
仲間がいるからこそ、今の私が存在していることを胸に刻み、仕事の楽しさを共有できる組織を創っていきたい。
  ご利用者とのひとコマ  
 
久城千明とご利用者 また、ご利用者に満足いく生活を送っていただくため、その人らしい余生の過ごし方をお手伝いすることで、、職場にも強い愛着と離れたくないという気持ちが生まれる。
このような感情を抱ける仕事に私は誇りを持っているし、その私を必要としてくれる方がいる限り、私は介護をし続ける。
 
ご利用者の意思決定に基づいてスタッフがお手伝いする体制
 
祖父が寝たきりの生活になった時、中学生だった私は何もすることができず、自身の微力さを痛感したことで、介護という仕事に関心を持つようになった。大学でも社会福祉学科を専攻し、現場実習と勉強を通じて介護の奥深さを知るほど、ますます魅力的に映りました。
サール・ナートに入社したきっかけは、ユニットケアを導入していたこともありますが、施設独自のこだわりでもある「和の空間」に、地方からも入所を希望されるご利用者が多いことに惹かれたから。
握手
    氏名:大森 麻由      出身:香川県
     役職:ユニットリーダー  経験:4年目
     資格:介護福祉士、社会福祉士
歩行介助
 
サール・ナートの強みは何と言っても人間関係の良さに尽きる。正社員・パートに分け隔てがなく、互いに尊重し合える関係。声を掛け合い、GIVE&TAKEに通じる助け合いがあるので、いつも職場は笑顔で溢れている。
職員1人ひとりがご利用者と楽しもうとする意識が根付いていることもあり、スタッフ間同士の仲の良さが強い団結力を生んでいる。
       
また高齢者施設での現場では、スタッフがせかせか動き回っているイメージを持たれがちですが、サール・ナートではスタッフの決められた業務を可能な限り削減し、ご利用者の選択・意思決定に基づいてスタッフがお手伝いする体制をとっている。
そのため、ご利用者とゆっくりとした時間を共有することができている。
介助風景
       
地方出身者の多い、サールのオリジナル風土
       
スタッフ笑顔 福祉専門学校を在学中に、夜勤アルバイトとしてサール・ナートで勤務。ご利用者とより深く関われるユニットケアの良さを最大限に発揮している体制やスタッフ同士または、スタッフとご利用者との関係に温もりを感じる職場環境に魅了され、新卒者として入社を決意。

     氏名:藤木 明子    出身:岡山県
     資格:介護福祉士    経験:1年目
       
サール・ナートの特徴として、私と同様に地方出身者のスタッフが多いことが挙げられる。
地方から出てきた私に、仕事面だけに関わらず、私生活においても気にかけてくれる先輩の存在が支えとなり、恵まれた職場環境のもとで大好きな介護の仕事ができていることを嬉しく思う。このような温かい雰囲気に包まれた環境の中、人と接する仕事ができているので、今まで以上に人との関わりには敏感になり、相手を想う気持ちが強くなった。それが自身の成長にも繋がり、毎日楽しく仕事ができている。
食事介助
         
  今回ご紹介させていただいた3名のスタッフのみならず、サール・ナートには仕事を楽しむ人材が
  集いあう。人に対する優しさ・思いやりを持った明るいスタッフの個性を尊重する中にも、サールが
  独自に放ち続けるチームワークの輪をスタッフ1人ひとりが大切にしているからだろう。

  今後もご利用者の“心に残る”お付き合いを軸に施設長とスタッフが一体となり、形成された風土
  と文化を変わらぬものとして育んでいくのでしょう。