フレンドシップ/職員の心を温める職場を探す
             
 

前回は、福祉業界が現在直面している厳しい採用戦線において、採用する側と求職者側の意識の持ち方について、いくつかの事例を用いながら警鐘を鳴らしました。

後編となる今回は、入社後も楽しみながら等身大で向き合える職場を探し出すためにも、職員が定着する職場とすぐ辞める職場について、ダベリバ編集部の着眼点より、いくつかのポイントに整理してご紹介しよう。

    レクリエーション風景  
   
企業の顔である人事担当者の人間性を見極める
   
  スタッフ伝達風景   まず、離職理由の最大要因は、採用選考時~職場に慣れるまでの期間に潜んでいる。
採用選考の段階で、求職者側の志望動機が明確ではないこと。そして、担当者側が自社の考え方やビジョン・こだわりを求職者に上手く伝えられていないことが挙げられます。
この段階で、「仕事内容は他の施設と大きな違いはありません」や「すぐに仕事にも職場にも慣れると思います」など、入社してからの具体的な動きが見えてこないトンチンカンなアプローチは大問題なのです。
いかに採用する側が、人数合わせの採用を行い、求める人物像を明確化できない意識の低い施設だということを、自ら伝えていることになります。
       
   
  求職者側も、自身の将来像を思い描けるよう、質疑応答や職場見学の時間をもっと有効利用し、気になる点や妥協できない点を納得・理解するまで話をすることが大切。時には、担当者を困らせるぐらいの質問であっても良いと思います。仮にこれが原因で採用されなくても、あなた自身の将来を考えれば賢明な選択だと思います。単にあなたを受け入れる器がその企業にはなかっただけということです。
   
とにかく両者とも、曖昧な採用・選択は避けるべきなのです。これでは採用できたとしても、入社してから少しでもしんどいことや辛いことがあれば、すぐに辞めるという選択肢が頭をよぎり、結果、離職の道を辿ることになるでしょう。
また前述の採用担当者のように、的外れな伝え方や採用をしている人ほど、「最近の求職者は何かあればすぐ辞めようとする」といった言葉で終わらすだけで、根本的な原因を追究しようとはしません。
このような企業は、職場環境基盤が形成されておらず、職員を受け入れる準備や教育体制が整っていないケースが多い。
コミュニケーション
       
モテる要素がない組織は、永遠にモテない
       
①疑問点や意見が言いやすい職場環境が形成されているか  
       
  相談 日々変化のある介護の現場では、誰もが業務に追われています。新人職員は分からないことがあっても、忙しく働く先輩職員に声はかけにくいもの。
「あれ?このやり方ってどうなの?」
特に実務経験のある転職組は、新しい職場に移ったとき、前の職場と違うやり方に戸惑うことや疑問を感じることが多々あります。
そうした戸惑いや疑問を口にしやすいのか、職場の懐の深さと居心地の良さが問われるところです。
     
       
②情報の共有ができる環境基盤が整っているか    
       
  ミーティング シフト勤務で動き、職員全員が一度に集まることが少ない施設や直行直帰の登録ヘルパーが多い訪問介護事業所において、情報の共有は大きな課題。
新人に限らず、重要な伝達事項を聞いていないという孤立状態は疎外感を生み、意欲低下につながります。
口頭ではなく、文書化するなどの工夫を施し、意識的な情報伝達を心掛けたい。
       
③研修制度と福利厚生が充実しているか    
       
  全体研修 その他にも、研修制度が充実している職場とそうでない職場では大きな差が生まれています。
意欲の高い職員ほど、教育・研修制度が整った職場を選びますから、ないがしろにはできません。自分自身の5年後、10年後のステップアップを考えることができない職場では、意欲的な人ほど退職せざるをえなくなってしまいます。参加しやすい環境を整えるためにも、年間の研修計画を立て、早い時期に職員に告知し参加できるよう促します。
また、職員の要望に応じて必要と思う研修を随時追加することで、職員の意欲にも応えられます。
       
  会議 そして、有給休暇や育児休暇、介護休暇をきちんと取れるなど福利厚生が充実していることも、定着率が上がる大きな要素です。人手不足の介護の現場では、とても無理と思うかも知れませんが、実際、職場全体の意識と努力によって年間120日もの休暇が取れる体制をつくっている施設もあります。
従来型とユニット型の事業形態で内容が異なるケースもありますが、「無理」「できない」と最初から諦めるのではなく、休みを取るためには具体的にどうすれば実現できるかを職員個々が意識を持って取り組むことが必要です。
       
「集める会社」から「集まる会社」へ
       
  最後に定着率を上げるには、給与アップが一番の特効薬という意見もあるかと思います。確かに給与は低いより高い方が良い。
しかし、「採用難や定着率の低い原因は?」といった問いに真っ先に給与を口にする企業ほど、中身は空っぽで自社の魅力すら答えられないケースが多い。人はお金だけで動くものではありません。
仮に採用段階で、「給与が高いので応募しました」という求職者がいたら、“給与を第一に選ぶのであれば他をあたって下さい”ときっぱり切り捨てるべきでしょう。意味のない採用ほど組織を混乱させます。
打ち合わせ
   
給与が安くても、職場環境がよければ働く意欲を保てるということもあります。多くの職員は、お金の面で報われない上に気持ちの面でも報われないために、次第に心が荒み、辞めていくのではないでしょうか。
   
職員集合写真 要は、「職員を大事にしたい」「長く勤めてほしい」という経営サイドの思い、姿勢が感じられれば、職員はモチベーションを保ちやすいということです。
“今の職場で仕事を楽しんでいる人”は基本的に退職することは多くありません。いかにこのような人材が集まる組織を形成することができるか。
定着率を上げるには、この底辺にある土台を創りあげるしかありません。そのためにも、職員が“この職場で働きたいという理由”を持ち合わせることが大切です。
   

【求職者の方へ】
あなたが職場を選ぶ、または働き続ける際に、大切にしている所はどこですか?
今一度、自分の心と対峙して、妥協できない大切なところを認識してください。

【企業の方へ】
あなたの会社の人を惹きつける所はどこですか?
施設長をはじめ、主任、採用担当者、既存職員の全員で、今一度、自社の魅力について語り合ってください。

   
ダベリバ/職員の心を温める職場を探す
           
 

競争が激しくなる採用戦線。昨今、超売り手市場とマスコミ等を通じて囁かれているが、その波は確実に福祉業界にも影響を及ぼしている。
介護職1名採用するのにおよそ50万円もの費用を要するなどの統計も発表されており、「求人募集をかけてもなかなか採用できない・・・」という人事担当者の嘆く声が飛び交う。

福祉就職総合フェアなども各地で開催されているが、求職者の来場者数は年々、減少傾向にあるなど、悲しいかな、介護現場における人材確保の問題は極めて深刻化している。

そこで今回は2回に分けて、採用する側と求職者側の双方に対し、ダベリバ編集部が警鐘を鳴らす。
今一度、己の姿勢を見つめ直し、考える機会にして頂ければと思う。

    ご利用者とのコミュニケーション  
         
           
“選ぶ権利”の意味を履き違えている求職者
           
  面談風景   これまで福祉業界の採用戦線と就職状況・離職状況を見てきたダベリバ編集部に、いくつかの疑問点が浮かび上がってきた。
それは、市場が買い手から売り手へと一変したことで、不思議なことに「求職者が有利」になったという認識が強まっていることだ。
もともと採用する企業側は求職者に選ばれる立場に置かれており、例え市場がどうであれ、求職者が“自分が働く職場”を選ぶ権利に変わりはないはずである。
 
           
 

しかし、ここ数年の傾向では、この売り手市場という社会状況を逆手にとって、働く場所はいくらでもあると余裕のようなものを持ち、無意味な転職を繰り返す転職組層が増加するなど、職場探しを軽視する求職者が増えている。

つまり、「なぜこの職場を選んだのか」という大切な志望動機が明確ではないケースが非常に多いのだ。これは極端に言うと、求職者が持つ“選ぶ権利の本質”を自ら放棄していることになる。

  トランス  
           
  魅力ある組織づくり   また本来、求職者に選ばれる企業側の採用に対する考え方や職員に対する愛情表現の乏しさも問題である。求職者に自社の考え方やビジョン・こだわりを上手く伝えきれていないことで、「ここで働きたい!」という強い意識を形成できていないのも事実です。
中には、人事担当者が自社の魅力を明確に語れないケースも多く見受けられる。
これでは、両者が夢や希望を持てない採用・就職活動を繰り返すだけで、いい結果が生まれることはないだろう。
 
           
 

そして、就労後の職員待遇に関しても、職員目線で取り組み、満足のいく職場環境が整っている企業は非常に少ない。昨今ではあらゆる所で、改善を求める職員の嘆く声が大きくなっている。

日本介護福祉会の統計において、介護職の就業実態は、平均的な在職期間が最多で5年未満の40%、男性に限っては49.2%が5年未満に離職しているという数字が発表されている。

 
           
  この離職理由としてまず、労働対価が低いという問題が挙げられますが、経営者の質の問題も大きく影響している。
具体的には、「経営者が介護職員を使い捨てだと思っている」「経営者の怠慢・古い体質」に嫌気をさす職員が増えているのだ。
これでは企業に対する不信感は募り、職場への愛着を持ってもらうことはできず、働く意欲すら低下してしまうだろう。
  会議風景  
 
ミーティング風景 しかし一方では、企業の意識の持ち方と組織としての努力によって、職員の定着率が高い上に、採用もスムーズに行えている企業もありました。
それらの企業に共通していたことが、「この職場を選んでくれて、ありがとう」という気持ちを持ち続けていることであった。決して甘やかすわけではないが、職員に対する愛情を様々な形で伝える。
その結果、職員も「この職場を選んで良かった」と双方がハッピーになる関係が構築されるのだ。
だからこそ、求職者の方々には今一度、就職活動に取り組む姿勢を見つめ直し、夢や希望が持てる職場を見つけていただきたいと強く願う。
 
そこで、次回は職員が定着する職場とそうではない職場の違いについて、ダベリバ編集部の着眼点よりいくつかのポイントに整理してご紹介します。
 
エスペラル城東/多世代交流&管理職制度
           
大阪随一の大型多機能施設として、注目を浴びている介護付有料老人ホーム「エスペラル城東」エスペラル城東では、こどもから高齢者までの“多世代交流”をテーマに、大切なことを次世代へ引き継ぎできる時間と場所を提供していきたいという想いから、“世代を超え地域の人々がふれあう空間”をコンセプトとしている。 地域交流  
打ち合わせ
   

また、多機能施設として幅広い事業展開を行う上で大切にしていることが、情報や意見が行き渡る組織風土を形成することだ。今年度より、新たな試みとして『管理職制度』を導入し、組織での内部循環を通して、職員の育成や職場環境の向上に繋げている。
そこで今回は、エスペラル城東が価値を永続するために取り組む、“多世代交流”と“管理職制度”についてご紹介します。

 
           
多世代交流~大切なことを次世代へ引き継ぐ~
           
  エスペラル城東は、有料老人ホーム・透析クリニック・デイサービス・保育所を併設し、こどもから高齢者をつなぐ街の拠点になることを目指して、地域に開かれた施設運営を行っている。多世代の人々がふれあう空間創りの一環として、地域のボランティア団体との連携を強化し、積極的にフロアを提供している。   子育てサロン 元気クラブ  
         
           
子供との触れ合い

今回は、大阪市城東区内で活動を展開する「子育てサロン 元気クラブ」の皆さんが施設を訪問し様々なレクリエーションを通して、多世代交流が繰り広げられた。
「元気クラブ」さんでは、高齢者と同じ時間を共有し交流を深めることで、こどもたちが何かを感じ、今後の人生に役立ち、成長へと繋がっていくことができればという想いを持っている。
まさしくエスペラル城東が掲げる“世代を超え地域の人々がふれあう空間”というコンセプトが実践された時間でもあり、両者の理念がうまく重なり合った瞬間でもあった。

 
その空間に集まった人みんなが、笑顔と笑い声に包まれ、暖かい空気が時間を進め、誰しもが満足のいく大盛況なイベントとなった。
今後もこのようなイベントを通して、エスペラル城東が多世代をつなぐ街の拠点となり、大切なことを次代へ引き継ぐ重要な役割を担っていくのでしょう。
  園児  
       
           
管理職制度~大組織の中で、今も変わらず継承する大切なもの~
           
  ミーティング  

エスペラル城東には、現在83名の介護スタッフが在籍しており、計8フロアの大組織で施設運営を行っている。その大組織の中で、施設がぶれることなく成長し続けてきた要因として、現場の声に耳を傾けてくれる組織風土が挙げられる。職員個々から伝わる、誇りを持って働ける良い施設にしていきたいという気持ちとパワーが、幾度となく組織を動かしてきた。

 
         

その結果、エスペラル城東の特徴でもある、ご利用者と同時に職員の意見・希望も尊重できる職場環境が、独自のオリジナル風土として形成されてきたのでしょう。
そして、施設オープンから今年で丸3年を迎えるエスペラル城東が価値を永続するため、新たな挑戦を始めた。それが『管理職制度』の導入である。

女性スタッフ
   
引力の強い組織づくり    
     
  炊事風景

これまで、リーダーが役職として現場に配置されていましたが、管理職制度導入により、新たな役職としてサブマネージャーとサブリーダーが設けられた。 これにより、職員個々の状況に合わせて目指すべきポジションが明確となり、役職ごとの役割分担が職員の意識を高め、やりがいへと繋がっている。
そして、組織全体を通しても情報交換する窓口が明確となり、従来のような縦に連なるピラミッド型の組織から、ファミリー的集団を意識した並行型の組織へとシフトチェンジすることで、より現場の声が届きやすい環境が構築される。

     

さらに、フロアや施設としての方向性を明確にすることで、今まで以上にフロア会議の重要性が問われるようになり、エスペラル城東が大切にしている「チームケア」をより太く上質なものとして提供できると考えている。
また、組織の内部循環を目的の1つとしている管理職制度は、職員の育成にも大きく影響している。現在、役職の立場にいる職員がそのポジションに留まらず、更にステップアップできる環境が創られたことで、自然と教育に対する意識が高くなっている。

食事介助
     
  フロア風景

役職の後任者教育を含め、新入社員に対する教育も、職員の誰が付いても同じように教えられるよう、日々の業務から意識を持つようになっている。この内部循環が組織を活性化させ、エスペラル城東が持つ変わらぬ価値を生み出し、そして受け継がれている。このように、職員が率先して働きやすい職場環境を構築し、自他共に誇れる施設づくりを行っていくことで、今後介護の仕事をしたいと思っている方が、「ここで働きたい」また「ここを選んで良かった」と思ってもらえるような職場となり、引力の強い組織が形成されていくのでしょう。

 
ホロニックライフ株式会社
介護付有料老人ホーム エスペラル城東
〒536-0014 大阪府大阪市城東区鴫野西4-1-24