高齢者の心を支える回想法レクとは?~ご利用者に楽しい生活を!注目のレクリエーション術~
回想法とは?
“逆転の発想”~否定的なものから肯定的なものへと~
回想法とは1963年にアメリカの精神科医ロバート・バトラーが、高齢者の豊かな回想を見直そうと提唱したことに始まる。
回想法は大別して、個人回想法とグループ回想法があり、その介入の仕方によりレミニッセンス(一般的回想法)とライフレヴュー(人生回願)がある。
                 
レク風景  

これまで、“過去への回想”は【現実逃避】などと否定的に捉えられがちだったのが、現在では介護保険施設や医療機関など臨床や施設介護の分野で、非薬物療法、または心理療法の1つとして注目され応用されている。特に、ご利用者との信頼関係づくりやコミュニケーション力向上、そして、満足度向上を目指す施設が積極的に取り入れている。
回想法は主に認知症の方に用いられ、昔を懐かしんで語り合ったりすることは、特に高齢者の方々にとっては楽しい時間となる。孤独になりがちな高齢者の方々の仲間づくりや生きる活力・自信回復にも繋がっている。
また、超高齢社会の進行により、援護や介護を必要とする高齢者が増加する中で、認知症の促進の抑制や予防に効果があるとされており、回想法を実践している施設では、確実に成果をあげている。

             
                   
~必要なのは、その方の中にある記憶だけ~
                   
 

生育暦が違っていても、同じ時代を生きてきたということが、仲間意識を生み、グループづくりを容易にする。必要なのは自分の中にある記憶だけで、その場で蘇る記憶があれば高齢者の方は負担が少なく仲間に参加できる。
また、1~2点のキットを用意すれば対象も場所も選びません。そして単なる昔話で終わるのではなく、過去が未来へと繋がっていくのです。様々なツールを用いることで個人の閉じこもり度、抑うつ度なども理解することが出来る。昭和戦前期から50年代のレコード・絵はがき・おもちゃ・新聞・雑誌・日用雑貨など、どこの家族でも使用されていた物が、「回想法」の資料としても使用される。

 
             
                   
回想法を実践するには?
~簡単に回想法を楽しむ!~
レクリエーション   前述で、回想法について紹介してきましたが、実際の利用方法やどこまでの効果を生み出してくれるのかは不透明なもの。体験がなければ、「昔を思い出すことで本当に効果が出る?」という疑問や「回想法は難しいのではないか?」という疑問があるかと思います。
回想法に真剣に取り組めば、記録をたくさん取ったり、回想法の効果測定をしたりと、確かにすごく難しい。
そこでダベリバ編集部がおススメするのは、まずは回想法を現場のレクリエーションとして取り入れること。レクの一環として捉えれば、そんなに難しく考えなくていいのです。そう、単に回想法を楽しめばいいのです。
     
       
レクリエーションで応用する回想法
~回想法を用いる施設での実例~
 
  ある高齢者施設では、“回想法”と“音楽療法”をうまく融合させ、明治・大正・昭和とそれぞれの時代で歌っていた歌を、朝・食事時・体操・レク・おやつ時と様々な場面で流している。
昔を思い出し、明るく楽しく脳を活性化させ、ご利用者のQOLの維持・向上を目指しているのだ。その後、当時の話を聞くことでコミュニケーションを繰り広げていきます。
また、送迎時や入浴時、誘導時にも一緒に唱歌を歌ったり、昔を思い出すような会話をしたりと、常に回想法を意識した介護を行っている。
音楽療法
       
   
~おすすめの回想法レクリエーション Vol1.昔の記憶~
   
  回想法レクリエーション    

認知症で「ここはどこ」「今はいつ」が分からなくても「昔にしていた事」は目をキラキラさせて話す姿をたくさん見かけます。
台所で家族の為に美味しい料理をたくさん作ったことでしょう。旅行でいろんな温泉に行ったでしょう。
あの時代どんな事をしていたのか、キーワード(その年の流行語)を話題にして「斜陽族ってどんな人達のことですか?」など、こちらから聞いてみるのも良いと思います。当時の日本を回顧して話題を広げていき、そしてキーワード(名産品、温泉、流行など)をクイズや回想法に活かしてレクタイムを楽しみます。

               
         
Vol.2 あの頃、私は・・・
         
 

少し大きめのカードに「話題ネタ」を10枚ほど作り、それをご利用者に引いて頂き、その話題について話を展開していくゲームです。ちゃんと話せないご利用者には、簡単なインタビューで切り上げるのが良いでしょう。
【 話題ネタ】
子供の頃の遊び/子供の頃食べたおやつ/東京オリンピックの思い出/学校の思い出/初恋の思い出/好きだった有名人/七夕/夏祭り などの昔を思い出すような話題を用意し、個別レク・集団レク問わず活用できる。

個別レク
       
         
Vol.3 ご本人インタビュークイズ
         
集団レク  

最初にご利用者本人に関するクイズを用意しておきます。 例えば「家で飼っている動物の名前」「趣味や隠れた特技」「憧れだったスター」「好き・嫌いな食べ物」など。
そしてゲームが始まると、1人ずつスポットを浴びせてインタビュークイズを開始します。 この時ご本人以外には「○」「×」の札を持って頂きます。
そして「ではまず○○さんに関する問題です。○○さんの憧れだったスターは「美空 ひばりさんです。○か×か!」のように問題を出し、札で答えて頂きます。そして答えが出切ったところで本人に「昔憧れだったスターは美空 ひばりさんでいいですか?」と聞くと「原 節子さんです!」という具合に正解を答えてもらいます。
そこから、司会者の方がその話を掘り下げ、楽しく過去を振り返ってもらいながら、レクタイムを盛り上げます。

     
 
パソコン回想法 ㈱エヌ・プログレス  
救える“命”、繋がる“命”~誰もができる!?知っておくべき救命の知識~
               

心臓の働きを正常な状態に戻すAED(自動体外式除細動器)の設置が増加している日本では、2004年より、一般市民でも使用が認められ、これまでにいくつもの命がAEDによって救われている。
しかし、7割超の方がAEDの存在は知っていても、使用方法は知らないとされている。誰でも簡単に操作できるとはいえ、いざというときためらってしまうものです。
あなたはAEDの使い方を知っていますか?

    AED(自動体外式除細動器)  
                       
                             
Automated(自動) External(体外式) Defibrillator(除細動器)
AEDとは、日本語で「自動体外式除細動器」と言う。心臓は血液を全身に流す体内ポンプの役割を果たしているが、突然心臓の筋肉が痙攣状態となり、小刻みに震えて収縮・拡張を行わなくなって血液を流せなくなることがある。これを「心室細動」と呼ぶ。その時、心臓に電気ショックを与えて、小刻みな震えを止めて正常なリズムに戻すための器械がAED。
               
AED

説明図に従って電極パッド2枚を患者の胸部に貼る。電源を入れるとAEDが自動で患者の心電図を解析するので、操作する人はAEDの音声ガイドで除細動の指示が出たら、ボタンを押すだけでいい。心室細動の治療は時間との勝負で、電気ショックの成功率は1分ごとに7~10%低下すると言われており、できる限り早く処置する必要がある。

2004年7月からは医療従事者だけでなく、一般市民も使用できるようになり、病院や診療所のみならず、空港、駅、スポーツクラブ、学校、公共施設、商店街など人が多く集まるところに設置されるようになった。

     
                       
AEDと我々、一般市民の結びつき        
実際にAEDを一般市民が使うケースは非常に多いと考えられる。日本では救急車が現場到着するまで平均で約6分強を要するが、心室細動の場合、一刻も早く電気的除細動を施行することが必要とされており、6分も待つ余裕は全くない (カーラーの救命曲線によれば心停止3分で死亡率はおよそ50%)。救急車の到着以前にAEDを使用した場合には、救急隊員や医師が駆けつけてからAEDを使用するよりも救命率が数倍も高いことが明らかになっている。
こうしたことから、AEDをなるべく多数配置するとともに、一人でも多くの住民がAEDに関する知識を有することが非常に重要である。また、現在では子供用のAEDパッドが認可され始めているので、1歳以上の子供なら使用できるようになってきている。
  AED本体
                 
AEDのフローチャート          
国内で非常に多い心臓突然死。その中でも特に多いのが心室細動(心臓の痙攣)によるもので、発生した場合は早期の除細動(痙攣を止めること)が救命の鍵となる。AEDは、電源を入れ音声メッセージに従って操作し、コンピュータ作動によって自動的に心電図を判読して、必要な場合のみ電気ショックによる除細動を指示する簡単で確実に操作できる機器なのです。
     
◆AEDを用いた除細動 ◆AEDを用いた心肺蘇生法(成人の場合)
1.電源を入れる AEDを用いた心肺蘇生法のフローチャート
  手順1      
2.電極パッドを傷病者の胸部に貼る
  手順2        
3.ケーブルを本体に接続する
  手順3  
5.AEDから除細動の指示が出たら、ボタンを押す
  手順5  
4.AEDが自動的に傷病者の心電図を解析する
   
連携プレーが仲間の命を救う  

大阪府豊中市の大阪大豊中キャンパスのグラウンドで、フットサルサークルの男子学生が練習中、キーパーが投げたボールを胸で受けた後、その場に倒れた。呼びかけにも応じず、心臓の鼓動が聞こえなかったため、メンバーが119番通報した。
豊中市消防本部救急隊の指示で心臓マッサージなどの応急処置をする一方、駆け付けた同大保健センターの看護師が備え付けのAEDを使用、間もなく心臓の鼓動が再開した。

サッカー
サッカー  

通報の6分後に救急隊が到着した時には、男子学生の意識も回復しており、その後後遺症もなかったという。

豊中市消防本部の担当者は「一般的に心停止時間が3分を超えると救命が難しくなる。一緒にいた学生が連係プレーで応急処置をやったことと、AEDが備え付けになっていたことが救命につながった」と話している。
             
救われた“いのち”輝く              

昨春の試合中、AEDによる救命措置で一命を取り留めた飛翔館の野球部員は、今夏、高校野球の3年間にピリオドを打った。甲子園という目標には届かなかったが、この3年間を振り返り、「助けてくれた人たちの思いを大切に感謝の気持ちを忘れずに生きていきたい」と涙をぬぐった。
昨年の春季近畿地区大会府予選。当時2年生だった部員は投手としてマウンドに上がり、左胸に打球が直撃した。一時心肺停止状態となったがAEDで救われ、後遺症もなく今春から主将を任された。

甲子園
野球

あの時、呼吸が止まり、冷たくなっていく子どもを抱いた父親は「もう、あかん」そう思ったそうです。でも、最後の最後まで諦めない気持ちが子どもの命を繋ぎとめたのでしょう。
側にいた人がAEDを取りに走り、偶然その場に居合わせた救命士が蘇生。命の瀬戸際で精一杯の愛情を受け、素晴らしい救命リレーが部員の命を救ったのだ。

     
     
NPO法人 日本救急蘇生普及協会 ㈱エムイーネット レスキュアジャパン事業部
     
“共依存”が引き起こす悲しい結末。~援助職に陥りやすい人間関係の嗜癖~
                 
  先日、ダベリバ編集部のスタッフがある高齢者施設の施設長と「共依存」についてお話する機会があった。「共依存」といっても様々なケースが考えられるが、援助職に陥りやすい人間関係の嗜癖として、介護現場でも「共依存」状態が見受けられるケースが増加している。
特に、人の役に立つこと・人に頼られることを過度に求める人が、意図せずに陥っていることが多い。
そこで今回は、「共依存」の実態をご紹介していきたい。
  看護師  
                 
“共依存”って何?
その人の責任をその人自身に負わせず、代わりに負っていませんか?    
酒 自販機 共依存とは、文字通りお互いに依存し合っている状態を言います。もともとは、アルコール依存症患者を世話する家族が、結果として、依存症の回復を遅らせている現象を指していた。この状況は、患者が家族に依存するため、自立する機会を失い、家族もまた患者の世話に自らの生きがいを見出し、悪循環を生み出していると説明される。
その一方で、過剰な世話焼きによって依存症者が1人では暮らせない状態を作り出してしまい、無意識のうちに依存症者をコントロールしてしまっているのだ。こうした依存症者の家族を、「イネイブラー」と呼ぶそうだ。
 
   
自分は誰かの“ドラえもん”になっていませんか?      

前述で紹介した「イネイブラー」を分かりやすく理解するのに適した例が、みなさんご存知のあの人気アニメ
“ドラえもん”である。ドラえもんは、泣きついてくるのび太君を放っておくことができません。いつも、のび太君の世話を焼き、尻拭いをし、彼の涙に振り回されています。
一方、のび太君は、ドラえもんが自分のピンチを救ってくれることを知っています。泣きつき、駄々をこねれば、お腹のポケットから神がかり的な道具を出し、不可能を可能にしてくれる。この結果、のび太君は目の前の問題から背を向け、誰かがどうにかしてくれる・・・責任をとってくれる・・・という錯覚に陥ってしまうのです。
こうした関係が、「イネイブラー」として共依存傾向を象徴している。

 

このようなアダルトチルドレン問題のように、現在では単にアルコール依存症患者との関係だけでなく、「ある人間関係に囚われ、逃れられない状態にある者」としての定義が受け入れられ、その人の責任をその人自身に負わせず、代わりに責任を負う状態を指す。その他にも、暴力を振るう夫とそれに耐える妻の関係や支配的な親と愛情を受けたい子供の関係、相手から愛されることが目的となっている恋愛関係などが一例として挙げられている。
そして、福祉現場の援助職と被援助者の間にも・・・

援助職と利用者
   
サービス精神が旺盛な援助職に陥りやすい共依存
援助職のイネイブラーとはどのような状態にある人なのか?    
   
 

援助職でイネイブラーになりやすいのは、サービス精神が旺盛で、利用者の力になりたい・役に立ちたいという気持ちが強い人。もともと、援助職にはこうした考え方の人が多いですから、共依存になりやすいとも言える。サービス精神が旺盛な援助職が共依存状態に陥りやすいのは、依存心の強い被援助者の対応をしているとき。と言っても、あれをして欲しい・これをやってくれ、という分かりやすい頼り方をしてくる被援助者は、それほど問題ではありません。こうした要求は、「それはできません」と線引きをしやすいからです。

   
  介護援助

しかし、例えば公休日の翌日、親しい入居者に「昨日はあなたがいなくて、Aさんが食事介助をしてくれたけれど、食事が進まなかった。やはりあなたでないと」とか「夜、姿が見えなくて、不安でなかなか寝付けなかった」というようなことを繰り返し言われたら、何となく「休んで悪かったなぁ」とは思いませんか?「明日はいるの?」と聞かれたら、休みにくいような気持ちになりませんか?

このような「私がいないとこの人はだめなんだ」と思わせるような言葉は、言われて悪い気はしません。しかし被援助者のこうした言動は、援助職を次第に被援助者の抱える問題に巻き込んでいくことがある。気がつくと、必要以上の支援をしていたり、いつもその被援助者のことが気にかかるようになったりするのです。

   
  頼り頼られすぎると、被援助者はその援助職がいないと何もできない状態になり、援助職はその被援助者の世話に追われることになってしまう。
“世話に追われて大変と口では言いながら、実はその状態に安住しているのが共依存”なのです。被援助者が自分の支援なしではいられない状態を作り出して自分の存在意義を確認し、存在意義を失うことがないよう、意図せず相手をコントロールしていることになる。
介護現場
   
  介護打ち合わせ

その他にも、訪問介護での衣類の着脱や食事・入浴・排泄介助などにおいて、とても時間を要する利用者を待つことができず、本人ができることを先回りし、手伝ってしまうケースなどが挙げられる。こうしたケースでは、ヘルパーはご利用者に感謝され、役に立っていると思いがちになります。しかし、この行動が利用者の残存機能の低下と自立力を奪う結果となる。
本来、「私がいなくては、この人はダメ」という状態は健全ではありません。 基本的には誰もが独立している状態が好ましく、援助職はできない部分に手を貸してあげることが大切になる。
また、24時間365日援助できるわけではないのですから、自分以外の誰が援助しても大丈夫という状態を作っておかなくては、被援助者にとっても不利益が多くなってしまうでしょう。

   
             
共依存状態に陥らないために
人に頼られることに自分自身の存在価値を感じていませんか?  
 
共依存を避けるには、『自分と相手との境界線を明確にすること』。被援助者に何か問題が起きたとき、被援助者が責任を負うべき領域に踏み込みすぎないよう気をつけて、必要以上の支援をしないこと。
突き放しすぎてはいけませんが、相手の解決能力を見極め、出来る限り本人に解決を委ねることが大切です。
コミュニケーション
   
  歩行介助
 

そうは言っても、自分で解決するよう促すと依存心の強い被援助者は「自分には解決できない」「見捨てるのか」等々抵抗し、あの手この手で責任を逃れ、援助職に解決してもらおうとすることが多いでしょう。
そこで、サービス精神旺盛な援助職は、つい手を貸してしまいがちですが、援助職としてできることはここまでだというラインをはっきりと示し、そばで見守っているというスタンスで側面から支援するよう心掛けることです。被援助者に代わって問題を解決するのではなく、被援助者が自分の力で解決できるよう支えていくことが大切なのではないでしょうか。