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免疫が低下している人が感染すると、ノルウェー疥癬(角化型疥癬)と呼ばれる重症型に移行することがあります。 通常の疥癬では、寄生数が多くても1000匹以下なのに対して、ノルウェー疥癬の場合1人の患者に100万から200万匹寄生します。寄生数の違いから、ノルウェー疥癬は感染力がきわめて強くなります。 手や体の骨ばったところの皮膚に厚く増殖して灰色や黄白色の垢がカキの殻のように付く特徴がある。また、かゆみを伴わない場合もあるので注意が必要です。通常の疥癬とノルウェー疥癬では、感染力もその対策も全く異なりますので、違いをはっきり認識することが重要です。 |
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| <通常の疥癬からの感染> 直接接触による場合と、まれに寝具等を介した感染があります。 直接接触でも、通常のオムツ交換、着替えの介助といった程度の介護では感染しません。 <ノルウェー疥癬からの感染> ヒゼンダニの寄生数が極めて多いため、短時間の接触でも感染し、衣服や布団を介しても容易に感染します。患者の皮膚から多数のダニを含んだ角質層が剥がれ落ち、周囲に飛び散り、次々に感染が拡大します。 |
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利用者や職員に皮膚のかゆみや発疹が見られたら、安易に軟膏を塗ったりせず、皮膚科を受診して下さい。特に皮膚に厚く付着している角質層があれば、ノルウェー疥癬の可能性があるので、対策を急ぎましょう。
施設内での集団発生の大半が、ノルウェー疥癬を感染源としています。集団発生を防ぐためには、ノルウェー疥癬患者の早期発見・早期治療が重要となります。 一方で、通常の疥癬の場合は、個室隔離の必要はありません。両者を混同して、過剰防衛することがないよう注意して下さい。 |
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| <通常の疥癬> オムツ交換や移乗介助等の介護では感染しないので特別な配慮は必要ありません。他の感染症予防と同様に手洗いを励行することが有効です。 ただし、長時間体をさすったり手を握るなどした場合は感染する可能性があります。 寝具・衣類などを介した感染は稀ですが、寝具やタオルの共用や雑魚寝の環境では、感染する可能性があります。 畳敷きの部屋で患者が発生した場合には、同室者も症状の有無に関わらず治療を開始する必要があります。シーツ・寝具・下着など患者の肌に直接触れるものは、清潔を保つ目的で毎日交換を心がけよう。 |
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<ノルウェー疥癬> また寝具・衣類・病室などに対して特別な配慮が必要です。可能であれば、患者が使用していた部屋やベッド・寝具類は約2週間閉鎖しましょう。閉鎖が困難な場合には、壁・床・カーテンなどに殺虫剤を散布・塗布した後に使用するようにします。患者の衣類、隔離室のリネン類は、熱処理後に洗濯します。 |
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| 介護者が隔離室に入る時には予防着を着用し、直接、接する時は使い捨てのゴム手袋を使用します。患者の入浴は最後にし、入浴介助の際もゴム手袋を使用します。
適切な治療を行えば、ヒゼンダニは急速に死滅し、感染力も低下するので隔離など特別な配慮が必要なのは1~2週間程度です。 |
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| 具体的な感染事例としては、輸血を介した感染が過去に多発しましたが、今日では輸血血液や血液製剤にこれらの病原体が含まれていないことが厳重にチェックされています。 また、医師・看護師・検査技師など、患者の血液に直接接触する機会の多い職種では、患者の血液がついたメスや注射針・ガラス片などで自分の手を傷つけて感染する危険性があり、注意が求められています。この中でB型肝炎ウイルスは、比較的感染しやすい病原体であり、感染機会の多い職種では予防ワクチンの接種が行われています。 |
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出産時(母から子へ)や粘膜を傷つけるような性行為でもこれらの病原体が感染することがあります。
福祉施設で利用者の血液に接触する機会は、これら職種に比べてはるかに低率ですが、鼻血・生理の血液・痔出血・外傷・吐血などの介助には注意が必要です。事前にキャリア状態であることが判明していない場合でも、血液との接触には注意が必要です。 |
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| ●肝炎 肝炎を起こす病原体は色々ありますが、頻度の高いものは、A型肝炎・B型肝炎・C型肝炎です。 B型肝炎ウイルスは、出産・性行為・汚染血液の輸血や傷口への接触により感染するウイルスで、時に急性肝炎を引き起こします。 医療・介護の場では、汚染血液との接触をいかに防ぐかが課題となります。日常の介護活動による接触・食器などにより感染することはありません。 C型肝炎ウイルスも同様に肝炎を引き起こすウイルスですが、慢性化しやすく長い経過で肝癌を併発す |
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| ることがあります。ウイルスキャリアの血液中ウイルス量はB型肝炎ウイルスの場合よりはるかに少なく、汚染された血液製剤の輸血が主な感染経路です。したがって、B型肝炎ウイルスに準じた対応で十分です。 A型肝炎は、ウイルスに汚染された生鮮魚介類を介して経口感染するウイルスです。食中毒に準じた注意が必要となります。 |
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●AIDS エイズは人のリンパ球にヒト免疫不全ウイルス(HIV)が感染して、免疫力を落とし日和見感染症を起こす病態です。すでに全世界的に広まっており、日本においても増加が続いています。 性行為や汚染血液の輸血・汚染注射針による麻薬注射などで感染します。 感染初期は風邪のような症状がありますが、その後5~10年間ほとんど症状のない時期があり、ついで、免疫能力の低下とともに体重減少・慢性下痢・リンパ節腫脹などが見られるエイズ関連症候群の時期となります。 |
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| さらに進行すると日和見病原体による種々の感染症を発症します。
感染経路はB型肝炎・C型肝炎と同様ですが、針刺し事故の場合、罹患率はB型肝炎の100分の1、C型肝炎の10分の1程度です。 |
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●成人型T細胞白血病ウイルス感染症 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と近縁のウイルスによる感染症ですが、母子感染の形ないしは輸血により感染し、数十年の経過を経て、成人型T細胞自血病や筋肉疾患を起こします。 現在、輸血血液のチェックが行われ、通常の介護活動で感染することはありません。 |
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黄色ブドウ球菌は、各種皮膚化膿症・食中毒・肺炎・敗血症などを起こす昔からありふれた病原菌ですが、健康保菌者も多く約20%の健康者で鼻腔・皮膚などに定着しています。 MRSAは、この黄色ブドウ球菌の中でペニシリナーゼ抵抗性ペニシリンを始めとする多くの抗菌薬に抵抗性をもった耐性株です。 MRSAが空気感染ルートあるいは施設の部屋環境から伝播するという根拠は乏しく、MRSAの感染経路は主に接触感染であり,医療従事者の手指を介して伝播します。そして、MRSAは通常の黄色ブドウ球菌に比べて病原性は同等かそれ以下で、健康者が接触 |
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| しても重篤な感染症状を引き起こすことはあリません。その為、福祉施設におけるMRSA交差感染予防策の基本は、手洗い・手指消毒・清潔動作の励行・居室の清掃などの一般的な感染予防対策を確実に行うことです。 緑膿菌は、MRSAが出現するまでは主要な院内感染菌でしたが、治療薬の進歩とともに、あまり問題にされなくなってきました。 しかし、MRSA感染と同様の病態を基盤に多数の感染例が見られており、病原性の点からも、MRSAに優るとも劣らない菌種です。 |
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| また、病院においては、多剤耐性セラチア、シュウドモナスセパシアなどさらに弱毒の耐性菌感染症が問題になることがあります。 これらによる福祉施設内感染の流行が起こることはありませんが、基本的な対応はMRSAと同様です。 |
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1.日常的な感染予防対策 前述の手洗い、清潔動作の励行、環境汚染対策などの一般的な感染症対策を確実に行うことが基本です。 2.消毒 MRSAなどの耐性菌は消毒薬に対しては抵抗性が弱いので、ほとんどの場合、一般的消毒方法で充分です。 3.抗生物質の適正使用 抗菌薬を使用している利用者はMRSAなどの耐性菌が付着しやすいので、抗菌薬の乱用を慎むとともに、他の利用者の耐性菌が付着しないように注意します。病院では重要な点なのですが、福祉施設ではあまり問題にならない点です。 |
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| 1.症状のない保菌者(利用者) 既に判明している場合も、隔離などの特別な処置は不要ですが、健康状態の把握・手洗いなどの清潔動作を指導して下さい。医療機関受診時は、病院内での適切な対応ができるように、同意を得てMRSA保菌者であることを告げてください。 2.症状のない保菌者(施設職員) 基本的衛生、つまり、鼻をこすった手で利用者に触れたり、そばで咳やくしゃみをしない、手を頻繁に洗うなどを守れば、通常の感染抵抗力を有する利用者への介護は問題ありません。 3.除菌 MRSAの除菌が入所者のMRSA感染の頻度に強い影響を与えるということはなく,保菌者の除菌は必要 |
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| ありません。これらの施設においてMRSAの交差感染は起こる可能性はありますが,重大な感染症の多発は起こっていません。 | ||||
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発熱・排膿などの感染症状がある場合は、MRSAの有無にかかわらず治療が必要なため、医師に相談して下さい。褥瘡患者・気管切開患者などで排出菌量が多い場合は、全身状態が悪く菌を受け取りやすい利用者とは別室にしましょう。
在宅福祉サービスにおいては、利用者の健康状態の把握・環境整備・一般的清潔動作を行えば特別な対応は必要なく、入浴も支障ありません。 |
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| ただし、乾燥した条件下におくとかなり早く死滅します。菌そのものを乾燥させると、約12時間で死滅します。したがって、MRSAに限らず黄色ブドウ球菌の最もよい防御法は、乾燥させることだと考えて下さい。 | ||||