“結核症・ウイルス性胃腸炎・食中毒”対策!
             
  感染症は自然界の病原微生物が体内に侵入して起こる病気です。どのような病原体により、どのような病気が起こるかは、病原体の性質と我々の体の性質との相対的な力関係により決まります。

これまでにダベリバ特集では、インフルエンザ・レジオネラ症・MRSA・肝炎・疥癬など、介護施設において身近な疾患を重点的に取り上げてきましたが、今回は長期に渡る入所者に注意が必要な“結核症”。
そして、二次感染予防に配慮が必要な“ウイルス性胃腸炎”や“食中毒”についてご紹介します。

 
             
結核菌排菌者への対応は?
             
  結核症   結核症は結核菌による慢性感染症で、肺が主な病巣ですが、免疫状態の低下した人では粟粒結核などの致死的な全身感染症に陥ります。
抗結核剤開発以前には、多くの若者が結核で死亡しましたが、今日では治療は比較的容易になりました。

胸部X線で肺に空洞があり、喀痰に塗抹染色で菌が見える場合、周囲の人への感染の危険があります。福祉施設入所時に、排菌していないことが確認されていますが、高齢者では長期に渡る入所期間中に再燃して発症する例があるので注意が必要です。

 
             
  高齢者では肺結核の再燃・再発例が多く見られますが、主症状が体重減少・食欲不振のみで、定型的な症状(咳・痰・発熱)を示さない場合があるので、胸部X線検査を定期的に行い、過去の写真と比較し、早期発見を心掛けることが大切です。

排菌者は結核専門病院に入院させた上で治療するのが原則です。
発熱・咳・痰・喀血などで発症した排菌患者では、治療、看護面からも隔離を急ぐので、早期に医師の診断を受ける必要があります。

  結核菌排菌者への対応  
             
ウイルス性胃腸炎の対策は?
             
  保育園   ロタウイルス・アデノウイルスなどによるものがあります。冬季に多く、保育園で広範な施設内感染が見られ、乳幼児対象の福祉施設で問題になります。
対策としては手洗いの励行、対症療法しかありません。

最近、冬場に学校や保育園で発生する集団風邪と思われていたもののうち、ノロウイルスが原因である事例が多く見られるようになりました。
ノロウイルスは集団食中毒の原因にもなりますが、人から人へ手指を介して二次感染することもあります。感染者の便や嘔吐物の処理には手袋を着用し、

 
ウイルス性胃腸炎   手洗いの励行、下痢や風邪に似た症状がある場合には調理に従事しないなどの二次感染予防に配慮が必要です。
   
食中毒の対策は?

食中毒菌やその毒素によって汚染された食品を食べて、急性胃腸炎や中毒症状を起こした場合を食中毒と言います。
平成8年に【0157】による食中毒が学校給食施設などで多発し、大きな社会問題となりました。

最近では、サルモネラや腸炎ビブリオによる食中毒の急増、冬場を中心としてノロウイルスによる食中毒の発生が目立ってきています。
その他の原因細菌としては、カンピロバクター・黄色ブドウ球菌・ウェルシュ菌などがあります。

食中毒対策
 
食中毒菌 また、キノコ毒などの自然毒や化学物質による食中毒もあります。集団生活では、給食の衛生管理が重要ですが、面会者の持ち込む食品の管理にも注意が必要です。

施設内で下痢患者などが多発した場合、医師の指示のもとに検査を行います。食中毒の疑いがあれば保健所に届け出、以後は保健所の指示に従って下さい。普通は人から人に直接うつることはありませんが、【0157・ノロウイルス】などは感染力が強いため、便などを介して二次感染することがあります。手洗いの励行・排泄物の処理に特に注意が必要です。

 

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