TPOをわきまえた“総合的感染症対策”
         
  福祉施設は多くの人々が利用する場であり、集団生活を営む場でもあります。
集団生活は感染症の流行しやすい場ですが、流行しやすい感染症や、対策の必要な感染症は病院・高齢者施設・児童福祉施設・学校・在宅福祉サービスなど、場所や利用者の状況などにより問題となる感染症は異なる。

そのため、感染症対策にもTPOをわきまえた対策が大切になり、今回はその極意をご紹介しよう。

  感染症対策  
         
感染症対策における福祉施設の特徴
福祉施設における感染症対策 1.集団生活の場である。
2.利用者に病弱者が多いが、あくまでも生活の場であり、病院のような極端に感染抵抗性が低下した人はいない。
また、抗菌薬投与を受けている人はごく少数であり、手術などの医療処置はほとんど行われない。
この点は病院とは基本的な条件が異なる。
3.介護職員の多くは医学知識を学んでおらず、医師や看護師中心に運営される病院とは異なり、介護者の安全を守るための基本的な教育が重要である。
 
   
サービス上で問題となる感染症とその対策の基本
   
 

このような場所ではMRSAなどの耐性菌による施設内感染の実害はほとんどみられません。施設において時々見られる感染症の流行は、インフルエンザ・感冒・疥癬などであり、まれに食中毒や結核などの感染症が見られます。
乳幼児施設では、水痘・麻疹・風疹・おたふく風邪・ウイルス性腸炎などの流行が見られます。

これらの病原体が集団生活に持ち込まれるのをどのように防ぐか、また持ち込まれてしまった時にどう対処していけば良いのかをこれまでにご紹介してきました。

感染症予防
   
  MRSA、インフルエンザ、感冒、疥癬、水痘、麻疹、風疹、おたふく風邪、ウイルス性腸炎 また、一部の血液媒介型感染のキャリア(保菌)患者を介護する時、どうしたら安全に出来るかという点についても血液媒介型感染症の特集内に組込みご紹介しました。

以上に述べたような集団生活の中での感染症の流行を防止する上で特に注意が必要な点は、「患者に対する感染防止対策は、患者・利用者を守るために行うものであり、不必要な対策により利用者を困らせるものであってはならないこと」が挙げられる。

   
   
福祉施設職員の健康管理において注意すべき感染症
   
  健康な介護職員にとって危険な感染症は、施設でも社会生活の中でも同じです。インフルエンザ・感冒・疥癬などが感染しやすい感染症ですが、ときに結核や食中毒などが問題となります。

日常生活の中で行うべき清潔行為を、職場でも基本的動作として行うことが必要です。
若干特異な点は、鼻血・痔出血・けがの出血・生理の出血など利用者の血液と接触する場合です。

また、福祉施設職員が社会から施設内にインフルエンザなどの感染症を持ち込まないよう注意が必要です。

介護職員にとっての感染症
   
     
施設内感染症対策で注意すべきポイント
     
  消毒液 集団生活の中での感染症の蔓延を防ぐためには、利用者の健康管理、施設環境の整備(整理整頓・清掃・手洗い設備の充実・汚物処理体制の整備など)、介護職員の一般的な清潔動作(手洗いやうがい)の励行や医療器具を扱うときの基本的な注意が必要です。

また、過剰な対応により施設利用者に不必要な不安感を与えることのないよう注意が必要です。

   
     
サービス上での注意点
介護者が感染し危険が生じ得る感染症はかなり限られた特殊なもので、感染経路も限定されています。これまで述べてきた基本的な注意が行われれば、その危険はほとんどありません。

生命の危険という意味では交通事故の方がはるかに恐ろしいでしょう。
不確かな情報に惑わされて、各種感染症に過剰におびえ、利用者を不必要に苦しめないよう介護者には介護者の安全対策が必要なのです。

介護者の安全対策
 
 

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